PSYCHO-PASS TEXT

アニメ PSYCHO-PASS(サイコパス)について、自分なりに考えたことを綴るブログに変更しました。

劇場版 PSYCHO-PASS -感想-

劇場版サイコパスは一期の続編というより番外編のような話だっ。

 

一期最終話で狡噛が海外への逃亡を示唆したシーンがあったのだけど、

狡噛が反政府軍に協力しているのは少し驚いた。

もっとも、日本以外の世界は情勢が安定していなくて、

己の身を守るために流れて行き着いた先がたまたまそうだったんだと思う。

 

1係で密入国のテロリストと戦うシーンは、

それぞれのメンバーがたくましく成長したなあと感慨深かった。

特に宜野座に関しては、二期を見てない人だと一瞬誰だかわからないほど

スタイリッシュで華麗なアクションをしていた。

 

常守は友人の佳織がシビュラシステムが選んだ相手と結婚し、

嬉しい反面、野放しに喜べない姿を見せ、

まるで常守の未来に明るさがないことを示唆しているようでつらかった。

だから、狡噛と再会した後は心なしか表情や言動が素の自分に戻っているようで、

見ていてほっとしたことはよく覚えている。

 

サイコパスでは対比やループがよく見られるが、

常守と狡噛ってやっぱりセットなんだよなって思う。

でも1係に戻ると常守と宜野座がセットになる。

常守と狡噛だと、

いつも一歩前に出てしまう狡に遅れまいと必死にくらいつく常守という感じで、

常守と宜野座だと常守の一歩後ろに下がりついていく宜野座という構図が浮かぶ。

常守が信念を曲げず肉体的に成長した反面、

狡噛は肉体の強靭さがやや増していたが中身は変わっていないままだった。

そこに肉体も心も成長した宜野座と3人の対比は面白かった。

やはりサイコパスにおいて狡噛常守宜野座の3人の存在はかかせないだと思う。

 

あと、常守がタバコの煙をまだたいていたのに驚きました。

視聴者によってはこの行動が

狡噛に対する思慕や、

自分に与えてくれたものを忘れないようにととらえられるかもしれませんが、

私はその行動が狡噛を引きずってるようで少しネガティブに見えました。

常守は、過去の人間を忘れないけれどひきずるタイプでもないように

私は捉えているのですが、

それだけ狡噛をとめられなかった後悔が彼女にとって大きかったのかなと。

宜野座にもたぶんそう見えていて、だから狡噛に

「これ以上、彼女に重いものを背負わせるんじゃない」と

言ったんじゃないかと思っています。

 

狡噛本人も、佐々山を忘れないためにすっていたタバコは未だに吸い続け、

槙島の幻影まで見てしまっている。

狡噛は自分の行いに蹴りをつけたようで、

ただ背負い込んでしまったのではないかと思っています。 

 

 

物語はゲリラと対峙して戦い、途中政府軍に裏切られながらも

間一髪のところで1係が救援に来る。

 

終盤のみどころのひとつは、狡噛と宜野座の共闘。

印象的だったのが

宜野座がゲリラであるデスモンドに「投降しろ」と呼びかけるのに対し、

狡噛はデスモンドを躊躇なく殺害する。

日本の警察官である宜野座と、兵士とも言える狡噛。

一期で袂を分かちてしまった二人の生き方が対比されていると思った。

 

また、常守がハン議長もといシビュラシステムに「歴史に敬意を払いなさい」と

言うシーンで彼女は、

シビュラシステムの未来を日々模索してるんじゃないかと思った。

シビュラシステムがない未来や、

ありつつも潜在犯の待遇が改善され、人が自分の意思で行動を起こす未来。

未来を考える上で過去を、歴史を振り返るというメッセージは私はすごく心に残った。

 

 劇場版はすごく面白かったです。

ブルーレイはさっそく予約し、また見られるのを楽しみにしています。